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09.24
Sun
白さのお誕生日プレゼントに捧げた主カミュです。
11も早くやりたい。



 勇者として、世界を救うという使命を課されたボクには近頃悩みがある。それは周囲からの多大なプレッシャーに押し潰されてしまいそうで怖いとか、過酷な旅に疲れてしまったとか、そんなことではない。

「あ、イレブン。ちょっともっかい確認しときたいことがあるんだけどいいか?」

 街に向かう途中の、僅かな休憩時間。地図を確認するボクの肩に置かれた手。
 口許に浮かんだ気安い笑み。
 近い距離にカミュのにおいがする。
 落ち着かない。

「ここのとこさ、こっちの道だとぐるっと迂回することになるだろ?」
「ああ、うん……」
「それならこっち側を通って」

 魔物の数も多いっていうし。
 あ、でもそれならいっそ船でここまで行った方がいいのか。
 カミュが何か色々言ってるけれど、あんまり頭に入ってこない。
 ちょっと首を伸ばせば触れられそうな位置にある唇。
 青い星みたいな綺麗な目。
 つい見惚れてしまっていたら、呆れたように言われた。

「なあ、聞いてるか?」

 カミュが肩をすくめて溜め息を吐く。
 溜め息吐きたいのは、ボクの方なのに。
 何せカミュときたらいつだって綺麗でかっこよくて、ボクはその姿を目にする度に参ってしまう。
 たとえばそう、戦闘中の切れのある動き。
 軽やかさと鋭さを持っていて、風か或いは獣のようだ。
 思わずうっとりしてしまう。

「カッコイイよなあ……」

 無意識の呟きを耳に捕らえたか、カミュが振り向く。目が合うと、彼はぎょっとしたみたいになって言う。

「な、なんだよ」

 戸惑う姿はかわいい。
 そのままじっと見つめたら、視線がうろうろし始める。
 すごいかわいい。

「うん、カミュはかわいいなって思って」
「か、かわっ、はあぁ!?」
「抱き締めてぎゅっとかしたいんだけど、していい?」
「バ、バ、バカお前真顔で何言ってんだ! かわいいとかバカじゃないのか!? 第一オレかわいい担当とか、そういうキャラじゃねぇし!」
「かわいい。ごめん無理。我慢できそうにない」

 真っ赤になったカミュが後退るのに、追い詰めるように一歩近づく。
 じりじりと近づいて行くと、背後で声がした。

「あのー」

 じとっとしたいくつもの視線。

「私たちもいるんだけど?」

 マルティナが言って、肩をすくめた。ロウが咳払いをし、カミュはばつが悪そうにそっぽを向く。ベロニカとセーニャもロウに倣い、シルビアは苦笑していた。

「う、うわああ、お、オレ達別に何もない! 何もないからな!」

 カミュが慌てて胸を押して離れようとするから、すかさず手首を掴んで引き留めた。ぎゃっと声を上げて、まだ逃げようとするけど、逃がしてなんかやらない。

「ごめん皆、すぐ戻るから」

 喚くカミュを強引に引っ張って行き、物影に連れ込んで押し倒す。疎らに生えた木々と、背の高い下草が隠してくれる。
 悪態をつく唇を唇で塞いで黙らせ、手を服の下に潜り込ませる。冷たい肌に指を滑らせながら、舌で舌を絡めとる。
 そうするだけで、カミュの身体から力が抜ける。おまけにもっと欲しいとでも言うように、カミュの指はボクの背中にしがみついてくる。
 散々口内を弄ってから唇を解放すると、カミュは涙目に睨み上げてくる。

「バカ……」
「うん、でもカミュがかわいいから」
「うるさい、かわいいって言うな!」
「他にどう言っていいかわからないんだもの」

 組み敷いた相手をまじまじ見つめて、やっぱり可愛いなと思ってしまう。
 それに色っぽい。
 胸元の開いた服とか、なんかもう大丈夫なのかなって街中歩いてる時とか心配で落ち着かないというのに。本人はまるで無頓着だから余計に困る。
 もっと自覚を持ってほしい。
 少なくともボクはもうそういう目でしかカミュのこと見れなくなってる。
 もう本当にどうしたらいいんだろう。
 こんなにカミュが魅力的で、ボクはどんどん彼のことを好きになるし、どれだけキスしても抱きしめても、好きなようにしても、気持ちが収まることはなくて、このままだとボクは一体どうなってしまうんだろうって不安になってくる。

「ねぇカミュ」
「?」
「君のことが好きすぎて、ボクどうにかなりそうなんだけど」

 カミュは目を瞬かせ、呆気にとられたみたいになって言った。

「お前、既にどうかしてるし、もう今更気にしなくていいんじゃねえ?」
「酷いな」
「大体オレのことが好きとか、その時点で変わってるぜ」
「どうして? ボクが男だから? 男のキミを好きなのはおかしい?」
「だってお前、巨乳好きだろ。ぱふぱふとか行ってたし、バニーガールとか見かけたら目で追ってたし………」

 むすっとした顔でカミュが言って、ボクははっとする。

「カミュ、嫉妬?」
「ち、違う!」
「だってそれだけボクのこと見てくれてるってことは、カミュもボクのこと気にしてくれてるってことだもんね。へへ、嬉しいなあ」

 思わず頬の筋肉が緩むのが自分でもわかる。きっとだらしない顔してるだろうなって思う。
 目を見開いたカミュの頬が朱に染まって、それから両手で強く胸を押してきた。

「ばか、調子乗んな! それより、いいからもうどけよ! そろそろ出発しないと今日中に街に着けないだろ!」
「えー」
「その代わり街に着いたら、今日の夜、つ、続きしていいか、ら……」

 真っ赤なカミュが目を逸らしながらそんなことを言うものだから、ボクはもう堪らなくなってそのかわいい生き物を思いきり抱き締めてしまった。
 本当に胸はドキドキして痛いし、別のとこも痛いし、よくわからない気持ちにもなることあるし、このままで大丈夫かなボクなんて思うんだけど、でもとりあえずどうしようもないし、ただカミュが傍にいてくれればそれだけで幸せだからそれでもういいかなんて思ってしまう。
 まあ、なるようになるよね!
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